基本的なリハビリ治療のすすめ方
四肢体幹の各種の症状・疾病に対して、病理学的理解を踏まえた上で段階的に治療をすすめます。
第一段階 筋肉機能不全に対する治療
第二段階 関節機能不全に対する治療
関節が原因で起こる痛みを治療していく方法です。この方法は、筋肉に対して十分に対応した後に行います。
まず伸縮性テープで症状の原因となっている関節を探ります。そしてその関節に対してモビリゼーション(他動的に関節を動かす手技)などの徒手療法、運動療法を行います。例えば腰痛の方は、骨盤の関節のズレが症状の原因になっている事が多く、写真のような仙腸関節モビリゼーションによって症状が軽減します。
第三段階 交感神経機能不全に対する治療
交感神経が原因で起こる諸症状を治療していく方法です。対象の症状は、原因不明のだるさ・重さ・病める感などの違和感、手足の冷感、血行性しびれ感、異常な発汗等です。
治療は、交感神経節に光線治療機であるスーパーライザー(東京医研)を照射します。照射後は手足が温かくなる、すなわち血液の循環がよくなるのを感じると思います。
第四段階 トリガーポイントに対する治療
トリガーポイントとは筋肉のなかにある硬いしこりで、押すと響くような痛みを出すポイントです。図で説明しますと、原因は×印の部位のトリガーポイントにあるのですが、その結果として生じる痛みが離れた別の赤色の領域にあらわれるということです。これを関連痛といいます。この場合、痛みのある赤色の領域ではなく、原因となる×印の部位を治療します。
スーパーライザー照射等でトリガーポイント・神経の血流改善を図りますと、わずか5分ほどで関連痛領域に変化がでます。
従来のリハビリ治療では方法、効果のばらつきがありますが、当院ではこのように筋→関節→交感神経→トリガーポイントと段階的に治療をすすめ運動療法につなげることで、安定した良好な結果を得ています。
そしてさらなる治療品質の向上のため、日々努力を続けています。
健康寿命延長リハビリ
ロコモティブシンドローム対策
ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることです。日本整形外科学会が、2007年(平成19年)に、新たに提唱しました。「ロコモ」の提唱には、「人間は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であるということを日々意識してほしい」というメッセージが込められています。
メタボが心臓や脳血管などの「内臓の病気」で「健康寿命」が短くなったり「要介護状態」になるのに対し、ロコモは「運動器の障害」が原因でおこります。「ロコモ」と「メタボ」や「認知症」を、合併する方も多いという報告もあります(吉村典子2009年)。高齢者のトータルヘルスの観点からは、幅広い対応策が必要です。高齢になって、寝たきり・認知症などが原因で要介護となることはできるだけ避けたいものです。これらの「健康寿命の延伸」、「生活機能低下の防止」には、予防、早期発見・早期治療が重要です。
当院ではロコモティブシンドロームに対しても適切なテスト・トレーニング指導を行うことができます。